三フッ化ホウ素（BF₃）とは

三フッ化ホウ素（BF₃）は、ホウ素原子1個とフッ素原子3個から構成される無色の気体で、非常に刺激的なにおいを持ちます。化学式はBF₃で、常温常圧では気体として存在します。三フッ化ホウ素は、強いルイス酸として知られており、有機化学において重要な触媒の一つです。特にアルキル化、アシル化、重合反応などにおいて、電子を引き寄せる性質を活かして反応を促進します。例えば、フリーデル・クラフツ反応では、芳香族化合物にアルキル基やアシル基を導入する際にBF₃が用いられます。また、樹脂やプラスチックなどの合成にも使われることがあり、工業的にも重要な役割を担っています。しかしながら、BF₃は水と反応してフッ化水素（HF）を生成するため、取り扱いには十分な注意が必要です。フッ化水素は強酸性かつ毒性が高く、人体への影響が大きいため、湿気の多い環境では使用を避け、密閉された容器で保管する必要があります。さらに、ガスとして吸入した場合には、粘膜や呼吸器に深刻な刺激を与える可能性があります。

研究開発や工業生産の現場では、安全な取り扱いが求められる一方、その高い反応性と選択性により、非常に有用な化合物であると評価されています。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。